【コーナー紹介】SOUL / DISCO 12inch コーナー

ということで、最近ちょくちょくアップしているコーナー紹介。
本日は SOUL / DISCO 12inch のコーナーです。

LPと同じ12inchサイズなのに、収録曲数は少ない。
なぜこんなフォーマットがあるのか。

なににでもパイオニアという人たちはいるもの。
70年代中頃、トム・モールトンのようなプロデューサー/リミキサー、ウォルター・ギボンズのようなDJ/リミキサー、そしてフランシス・グラッソ、デヴィッド・マンキューソ、ニッキー・シアーノといった、初期ディスコの現場を作った人たちがおりました。

で、ディスコで効果的に鳴る音、どんな音が客の心を掴むのかを日々追求していたと。

そうした現場の欲求と、制作/カッティング側の発見が重なって広がっていったのが、12inchシングルというフォーマット。

そもそも当時のディスコの現場では、
「曲が短すぎて、せっかく盛り上がってきたところで終わっちゃう」
という悩みというか、
「いいところなのにもったいない、もっと長ければ良いのに..」
というシンプルな要望が溜まっていたわけですね。

それならば!ということで、曲を長く編集し直して“ディスコ・ミックス”や“エクステンデッド・バージョン”が作られるようになります。

そしてそんな長尺ミックスと相性抜群だったシングルの形が12inchシングル。

じゃあ12inchの大きな盤面を少ない曲数で贅沢に使うとどうなるのか。

レコードは収録時間が長くなるほど、限られた盤面に溝を細かく詰め込まなければなりません。ですよね。

12inchシングルなら、1曲、2曲にたっぷり盤面を使えるので、溝の間隔にも余裕が生まれる。

つまり、大きめの音量、太い低音、広いダイナミックレンジを狙いやすい。
大きなスピーカーで鳴らした時の迫力も出しやすい。

小さい紙に細かい絵を描くと色々省略しなくちゃいけないけど、大きな紙なら細かく色々描けますよね。
それと同じです、たぶん。

さらに12inchには、33回転だけでなく45回転のものも多くあります。

45回転は盤が速く回るぶん、同じ時間の音をより長い溝を使って記録できるので、そのぶん収録時間は短くなりますが、細かな音まで刻みやすく、よりクリアで力強い音を狙いやすいというメリットがあります。

つまり12inchは、
“大きい割に曲数が少ないやつ”
ではなくて、長いバージョンをより迫力ある音で収録しやすく、大きなスピーカーで鳴らした時の気持ちよさまで考えられたフォーマットだったという。

やがてエクステンデッド、別ミックス、インスト、リミックス、リエディットなど様々な12inchでリリースされるようになりましたし、このフォーマットはクラブ・ミュージックだけでなく、ロックやポップスの世界にも広がっていきました。

本日紹介したのはそんな12inch文化の源流、 SOUL / DISCO 12inchのコーナーでした。
ぜひ当店へお越しの際は覗いてみていただければ。

最後にせっかくなので本日、2026年9月9日の在庫の中からオススメをピックアップ。

McFadden & Whitehead / Ain’t No Stoppin’ Us Now
ド定番。アルバム・バージョンでも7分あるのに、12inchでは10分超え。長いのに飽きないねえ…。

Taana Gardner / Heartbeat
West Endド定番のLarry Levan Mix。。

Fat Larry’s Band / Act Like You Know
アルバム収録とほぼ同尺なんですけど、このファットなベースは12inchでぜひ。

Eddie Kendricks / Date With The Rain
元々は2分台、まさに「曲が短すぎて、せっかく盛り上がってきたところで終わっちゃう」タイプの代表。
“ディスコ”という音楽ジャンルが生まれる前からディスコでかかっていたクラシックを9分超えで聴ける夢のような12inch。

Idris Muhammad / Could Heaven Ever Be Like This
ジャズ・ファンクはアルバムだとジャズコーナー周辺に置くのに、12inchならディスコとかそのあたりに置くべき。12inchとの相性バツグンの8分半。

Grace Jones / Walking In The Rain
これもアルバム収録の4分より長い7分半、B面も同様にPull Up To The Bumperのロング・バージョン。

Lamont Dozier / Going Back To My Roots
後半のアフロビート〜ヨルバ語チャント的な展開が最高な長尺ディスコ・ファンク。12inchになって然るべき名曲。

SOUL / DISCO 12inchコーナー、ぜひ覗いてみてください。


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